こんにちは、農業振興課の勢井です。
今回は私が担当している鳥獣被害対策についてお話します。
まず、鳥獣被害を考える上で、被害とは何かについて考えてみましょう。
雪に弱い新幹線 → 高速運輸システム
ハエの多い台所 → 食糧加工システム
イノシシにやられ続ける田んぼ → 米生産システム
雪に弱い新幹線を改善しようとするとき、雪自体を降らなくさせるのは不可能です。
ハエの多い台所でハエをいくら駆除しても、
原因となる生ごみ等を処理しなければ、ハエはまた湧いてきます。
同じように、イノシシにやられ続ける田んぼを改善しようとしたとき、
イノシシを駆除することで田んぼを守ろうとしても、なかなか上手くいきません。
被害とは? ⇒ システムの欠陥の露呈
つまり、原因の雪、ハエ、イノシシではなく、
システムの新幹線、台所、田んぼの欠陥を改善していかなければなりません。
田んぼの場合
イノシシを呼び寄せ、増やす(餌付けする)田んぼのシステムに欠陥があります。
対策:餌付けをやめる。
では、次にどうやって餌付けをやめるのかを紹介します。
動物を餌付けする畑・田んぼ
・動物の隠れる場所がある。(雑草が生い茂っている)
・柵の外に作物が出ている、または捨てている。
・そもそも、柵をしていない。
動物を餌付けしない畑・田んぼ
・動物が隠れる場所がない。(周りの雑草が刈ってある)
・動物から作物が届かない位置(70~100cm)に柵を設置している。

写真は鳥獣被害0を達成した、鳥獣対策モデル地区の木城町駄留目地区の畑です。
柵の周りに雑草が少ないため見晴らしがよく、
動物が作物に届かない位置に柵が設置してあります。
見晴らしの良い場所を動物は怖いと感じ、
さらに柵によって食べ物を食べることもできないことを知ると、
動物は今後その場所に近づかなくなります。
また、冬に食糧がないと、動物は増えません。
10月に草刈りをすると、冬に春の草が生え動物の餌になってしまうので、
9月までに草刈りは済ませましょう。
最後に、行政の役目は自分で自分の田んぼ・畑を守れる農家や住民を育て、
個人ではできない対策を行っていくことです。
これから、新富町の鳥獣被害が少しでも減るように頑張っていくので、
ご協力よろしくお願いします。