令和6年度決算の概要
令和6年度における一般会計の決算は、歳入が145億9,964万6千円、歳出が143億2,800万1千円となり、歳入歳出の差し引き額は2億7,164万5千円となりました。このうち翌年度へ繰り越すべき財源4,352万5千円を差し引き、実質収支額は2億2,812万円の黒字決算となりました。
令和6年度末の町債現在高は普通会計ベースで51億987万8千円で、前年度と比較して3億2,498万5千円減額となりました。また、令和6年度末の積立基金現在高は45億978万8千円で、前年度と比較して4億6,546万2千円増額となりました。地方公共団体の財政健全化に関する法律(平成19年法律第94号)に基づく健全化判断比率においても、新富町の財政は健全な状態です。
町財政の現在と今後
国の動向
国の経済については、本年8月の月例経済報告によると、先行きについては、「雇用・所得環境の改善や各種政策の効果が緩やかな回復を支えることが期待されるが、米国の通 商政策の影響による景気の下振れリスクには留意が必要である。加えて、物価上昇の継続が消費者マインドの下振れ等を通じて個人消費に及ぼす影響なども、我が国の景気を下押しするリスクとなっている。また、金融資本市場の変動等の影響に引き続き注意する必要がある。」とされています。
こうした中、国は『経済財政運営と改革の基本方針2025』において、「令和8年度予算は、本方針及び骨太方針2024に基づき、中期的な経済財政の枠組みに沿った編成を行う。」として、地方の安定的な財政運営に必要となる一般財源の総額は、前年度の水準を下回らないよう実質的に同水準が確保される見込みです。一方で、「成長と分配の好循環を拡大させる中で、歳出構造の平時化を図る。」とされています。
令和8年度の概算要求では、地方の安定的な財政運営に必要な一般財源総額を、前年度を下回らないよう実質同水準で確保する方針が示される一方、歳出構造の平時化の下で施策の優先順位の洗い直しと大胆な重点化が求められています。また、物価上昇と賃上げの定着を踏まえ、公共調達における労務費・資材費等の適切な反映、価格転嫁の徹底、予定価格・単価の見直しに配慮した経費計上が重視され、総合経済対策との連動では、賃上げ促進、物価高騰対策、DX・GX、半導体・スタートアップ等の成長投資、人への投資(リスキリング、医療・福祉の処遇改善)が重点分野とされています。また、一般財源総額の下支えが見込まれる一方で、各事業のスクラップ・アンド・ビルド、KPIに基づく成果重視、デジタル実装やPPP/PFI活用等による効率化が強く要請され、併せて質・効率の高い行財政改革の徹底により財政の健全化を図るとしています。
具体的には、年金・医療等の社会保障費は高齢化等に伴う自然増4,100億円を見込み、地方交付税は「新経済・財政再生計画」との整合性に留意、義務的経費は前年度の当初予算額の範囲内、義務的経費を削減した場合は同額を裁量的経費で要求可としています。「基本方針2024」や「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2024改訂版」等を踏まえた構造的賃上げの実現や、投資の拡大、少子化対策・こども政策の抜本的強化などの新たなステージへの取組みの加速化政策や、防衛力の抜本的強化など国を取り巻く環境変化へ対応する重要政策については「重要政策推進枠」を措置するとされています。
現在の施策・制度の抜本的見直しを図り優先順位の厳しい選択により、真に必要なニーズを精査し要求すること、また、賃金や調達価格の上昇を適切に反映することや、物価高騰対策、賃上げ促進を含めた経済対策もあわせて適切に要求すること、併せて質・効率の高い行財政改革の徹底により財政の健全化を図るとしています。
町財政の現在と今後
時代の変化に対応し、未来へつながる施策を展開していくためには、令和8年度においても健全な財政運営と機動的な組織経営を継続していく必要があります。
本町の令和6年度一般会計決算は、実質単年度収支が1億1,353万3千円となり、5年連続の黒字となりました。財政構造の弾力性を示す経常収支比率は86.9%、将来負担比率は4年連続で「無し」という結果でした。今後も、過去から継続している無駄の徹底排除による経費削減、補助金等の適正化、各種歳入の拡充による財源確保に取り組み、歳入・歳出の両面から財政健全化を継続していきます。
財政調整基金は、不測の財政需要や、地方財政法4条の4における経済事情の著しい変動、緊急かつ大規模な建設事業等での処分に備えるため、令和6年度末残高を13億3,361万円としています。今後は、令和8年度以降の大型事業への備えに加え、令和9年度以降も高水準が続く見込みを考慮し、引き続き残高13億円を目標として、健全な財政運営の継続を目指します。
町税収入は、適正な賦課・徴収を徹底し、16億3,564万7千円、住民税定額減税の減収補填である地方特例交付金6,877万9千円を含めると過去最高額でした。自主財源の確保及び、税負担の公平性確保のため、税の収納率、債権徴収を継続して向上を目指します。ふるさと納税・企業版ふるさと納税は、最重要の財源と位置づけ増収を目指し、そのほか、特定財源の獲得と有利な起債の最大限の活用等により、安定的かつ持続可能な財源調達を徹底します。義務的経費はさらに増加が予想され、投資的経費の適正な配分など健全な財政運営が求められます。
義務的経費は一層の増加が見込まれることから、投資的経費の適正配分等による健全な財政運営が一段と求められます。厳しい財政状況ではありますが、令和8年度も、より一層の町民福祉の向上を目指し、「子や孫たちが帰って来たくなる町」の実現に向け、健全な財政運営を着実に進めます。
町民の皆様のご理解とご協力をよろしくお願いいたします。
地方公共団体の財政の健全化に関する法律に基づき、健全化判断比率及び資金不足比率をお知らせします。
令和6年度決算に基づく健全化判断比率及び資金不足比率について
本業務は、総務省方式改訂モデルに基づき、新富町における財務諸表の作成を行うことを目的としたものです。
本作業として、総務省管理の決算統計データをもとに有形固定資産、減価償却、国・都道府県支出金の算定を行い、バランスシート作成に必要なデータを整備し、そのデータをもとにバランスシートの作成を行いました。
新富町では普通会計で実施している事業の他にも、公営企業会計の水道事業会計、特別会計では国民健康保険特別会計や後期高齢者医療特別会計など、新富町民と密接な関わりをもつ事業を行っています。
このように、新富町の財政は普通会計のみで成り立っている訳ではないため、真の新富町全体の資産・負債・行政コスト・収益等の情報に関する財務活動を分析する場合には、連結財務書類を用いる必要があります。
連結財務書類とは、普通会計や特別会計に加え、公営企業会計及び新富町が一定割合以上を出資している関係団体や法人をひとつの行政サービス実施体とみなして作成する財務書類です。
平成19年度
平成20年度
平成21年度
平成22年度
平成23年度
平成24年度
平成25年度
平成26年度
平成27年度
平成28年度
平成29年度
平成30年度
平成31年度
令和2年度
令和3年度
令和4年度
「財政状況資料集」は、財政情報の開示を行うため、これまで個別に作成していた財政情報各表を整理・集約し、平成22年度決算分から「財政状況資料集」として再編成されたものです。
これに伴い、下段にあります「市町村財政比較分析表」「財政状況等一覧表」についても本表に集約される事となりました。
■ 平成23年度決算
■ 平成24年度決算
■
平成25年度決算
■ 平成30年度決算
■ 令和元年度決算
■ 令和2年度決算
■ 令和3年度決算
■ 令和4年度決算
■ 令和5年度決算
県内自治体の財政状況資料集については以下のリンクをご確認ください。
■
宮崎県内市町村の財政状況資料集
一般会計
町の行政運営の基本的な経費を計上している会計をいい、特別会計で処理される以外の全ての経費は一般会計で計上されることとなります。
普通会計
地方公共団体の財政比較や統一的な掌握が困難なため、地方財政の統計上統一的に用いられるための会計区分を指します。
本町における普通会計は、一般会計に土地区画整理事業特別会計を合算し、調整したものを表します。
特別会計
一般会計に対して、特定の事業を行う場合や特定の歳入をもって特定の歳出に充て、一般の歳入歳出と分けて経理する必要がある場合に、法律や条例に基づいて設置できる会計です。
本町では国民健康保険特別会計、老人保健特別会計、土地区画整理事業特別会計、介護保険特別会計、後期高齢者医療特別会計があります。
公営企業
みなさんに水道を供給しています上水道事業では、使用料などの収益を収入として、独立して運営を行っており、こういった事業の事を公営企業といます。
一般財源と特定財源
財源の使途が特定されず、どのような経費にも使用することができる経費を一般財源といい、一方、財源の使途が特定されている経費を特定財源といいます。
一般的には、地方税、地方譲与税、地方交付税、目的の特定されない寄附金並びに使途の特定されない財産収入等が一般財源にあてはまり、国庫支出金、県支出金、地方債、分担金、負担金、使用料並びに手数料等が特定財源にあてはまります。
自主財源と依存財源
地方公共団体が自主的に収入しうる財源を自主財源といい、反対に国や県の意思により定められた額を交付されたり、割り当てられたりする収入を依存財源といいます。
町民税、分担金、負担金、使用料、手数料、財産収入、寄附金、繰入金、繰越金並びに諸収入が自主財源に区分され、地方交付税、国庫支出金、県支出金、地方譲与税並びに地方債等が依存財源に区分されます。
町債
町債(地方債)は、主に道路、学校・し尿処理場等の耐用年数の長い施設等の建設のための「借金」です。
地方債により事業をする理由として、財政負担の年度間調整を図ることができ、将来にわたって使用する施設には将来の住民にも負担をしてもらうという「世代間負担の公平」ということもあります。ちなみに「地方債」や「起債」と同義語として使う場合もあります。
標準財政規模
地方公共団体の標準的な状態で通常収入されるであろう経常的一般財源の規模を示すもので、標準税収入額等に普通交付税を加算した額をいいます。
なお、地方財政法施行令附則第12条第2項の規定により、平成21年度までの特例として、臨時財政対策債(地方の一般財源の不足に対処するため、投資的経費以外の経費にも充てられる地方財政法第5条の特例として発行される地方債)の発行可能額についても含まれています。
実質赤字額
当該年度に属すべき収入と支出との実質的な差額をみるもので、収入から支出を差し引きしてさらに翌年度に繰り越すべき繰越明許費等の財源を差し引きした額をいいます。
実質赤字額がある団体を「赤字団体」と呼んでいます。
実質赤字比率
当該地方公共団体の一般会計等を対象とした実質赤字額の標準財政規模に対する比率です。
福祉、教育、まちづくり等を行う地方公共団体の一般会計等の赤字の程度を指標化し、財政運営の健全化の度合いを示す指標ともいえます。
連結実質赤字比率
公営企業会計を含む当該地方公共団体の全会計を対象とした実質赤字額又は資金の不足額の標準財政規模に対する比率です。
すべての会計の赤字や黒字を合算し、地方公共団体全体としての赤字の程度を指標化し、地方公共団体全体としての財政運営の悪化の度合いを示す指標ともいえます。
資金不足額
公営企業ごとに資金収支の累積不足額を表すものです。
法適用企業については流動負債の額から流動資産の額を控除した額を基本として、法非適用企業については一般会計等の実質赤字額と同様に算定した額を基本としています。本町の水道事業会計におきましては現在、資金不足を生じておりません。
資金不足比率
当該地方公共団体の公営企業会計ごとの資金の不足額の事業の規模に対する比率です。
公営企業の資金不足を、公営企業の事業規模である料金収入の規模と比較して指標化し、経営状況悪化の度合いを示す指標ともいえます。
本町は、資金不足を生じていないため、資金不足比率については算定できないことになります。
実質公債費比率
当該地方公共団体の一般会計等が負担する元利償還金及び準元利償還金の標準財政規模を基準とした額に対する比率です。
借入金(地方債)の返済額及びこれに準じる額の大きさを指標化し、資金繰りの程度を示す指標ともいえます。地方公共団体財政健全化法の実質公債費比率は、起債に協議を要する団体と許可を要する団体の規定に用いられる地方財政法の実質公債費比率と同じです。
将来負担比率
地方公社や損失補償を行っている出資法人等に係るものも含め、当該地方公共団体の一般会計等が将来負担すべき実質的な負債の標準財政規模を基本とした額に対する比率です。
地方公共団体の一般会計等の借入金(地方債)や将来支払っていく可能性のある負担等の現時点の残高を指標化し、将来財政を圧迫する可能性の度合いを示す指標ともいえます。
早期健全化基準
地方公共団体が、財政収支が不均衡な状況及びその他財政状況が悪化した状況において、自主的かつ計画的にその財政の健全化を図るべき基準として、実質赤字比率、連結実質赤字比率、実質公債費比率及び将来負担比率のそれぞれについて定められた数値です。
なお、当町の早期健全化基準は、実質赤字比率15.00%、連結実質赤字比率20.00%、実質公債費比率25.0%、将来負担比率350.0%となります。
財政再生基準
地方公共団体が、財政収支の著しい不均衡やその他の財政状況の著しい悪化により自主的な財政の健全化を図ることが困難な状況において、計画的にその財政の健全化を図るべき基準として、実質赤字比率、連結実質赤字比率及び実質公債費比率のそれぞれについて、早期健全化基準を超えるものとして定められた数値です。
なお、当町の財政再生基準は、実質赤字比率20.00%、連結実質赤字比率30.00%、実質公債費比率35.0%となります。
経営健全化基準
地方公共団体が、自主的かつ計画的に公営企業の経営の健全化を図るべき基準として、資金不足比率について定められた数値です。
本町の水道事業会計の公営企業会計における経営健全化基準は資金不足比率20.00%となります。
健全化判断比率
実質赤字比率、連結実質赤字比率、実質公債費比率及び将来負担比率の4つの財政指標の総称を表します。
地方公共団体は、この健全化判断比率のいずれかが一定基準以上となった場合には、財政健全化計画または財政再生計画を策定し、財政の健全化を図らなければなりません。
健全化判断比率は、財政の早期健全化や再生の必要性を判断するものであるとともに、他団体と比較することなどにより、当該団体の財政状況を客観的に表す意義を持つものです。
経常収支比率
人件費・扶助費・公債費等の義務的性格の経常経費に地方税、地方交付税、地方譲与税を中心とする経常一般財源収入が、どの程度充当されているかをみることにより、地方公共団体の財政構造の弾力性を測定する比率として用いられます。