栄養とバランスのソフト食

栄養とバランスの食事

「好きなものばかり食べる」「夜遅くに食事をする」「お酒を飲み過ぎる」など 食生活の乱れ や 偏りが問題となっています。あなたの食生活はいかがでしょうか?
健康な体を維持して、食生活を送るためには、バランスよい食事をすることが大切です。
しかし、 「バランスのよい食事」 といっても、どのような食事のことをいうのでしょうか、わからない方も多いと思います。
「食事の基本」を身につけるための望ましい食事のとり方やおおよその量をわかりやすく説明しています。

コマのイラストにより、一日分の食事を表現し、これらの食事のバランスが悪いと倒れてしまうことを表現しています。あなたのコマはうまくまわっているでしょうか?
*「食事バランスガイド」は、健康な方々の健康つくりを目的に作られたものです

「糖尿病、高血圧などで病院または管理栄養士から食事指導を受けている方は、その指導に従ってください。」

コマのイラストにある1日分の適量は、2200±200kcalを表しており、活動量が「ふつう*1」の成人女性、活動量が「低い*2」成人男性が該当します。
「*1 ふつう」・・座り仕事が中心だが、歩行・軽い運動等を1日5時間程度は行なう 。
「*2 低い」・・1日のうち座っていることがほとんど。

*健康で豊かな食生活の実現を目的に策定された「食生活指針」(平成12年3月)を具体的に行動に結びつけるものとして、平成17年6月に農林水産省と厚生労働省により決定されました。
*農林水産省「食事のバランスガイド」より抜粋

適量チェックチャート

料理区分と数え方について

食事バランスガイドでは、毎日の食事を  主食/副菜/主菜/牛乳・乳製品/果物  の5つに区分し、区分ごとに「つ(SV)」という単位を用いています。また、欠かすことのできない水・お茶、菓子・嗜好飲料、運動についてもイラストで表現をしています。
「SV(サービング)とは:食事の提供量の意」

主食
主食
炭水化物などの供給源であるごはん、パン、麺、パスタなどを主材料とする料理が含まれます。
※1つ(SV)=炭水化物約40グラム
【料理例】
1つ分=ごはん小盛り1杯/おにぎり1個/食パン1枚/食パン4~6枚切り1枚/ロールパン2個
1.5つ分=ごはん中盛り1杯
2つ分=うどん1杯/もりそば1杯/スパゲッティー
副菜
副菜
ビタミン、ミネラル、食物繊維などの供給源である野菜、いも、豆類(大豆を除く)、きのこ、海藻などを主材料とする料理が含まれます。
※1つ(SV)=主材料の重量約70グラム
【料理例】
1つ分=野菜サラダ/きゅうりとわかめの酢の物/具だくさん味噌汁/ほうれん草のお浸し/ひじきの煮物/煮豆/きのこソテー
2つ分=野菜の煮物/野菜炒め/芋の煮っころがし
主菜
主菜
たんぱく質の供給源である肉、魚、卵、大豆および大豆製品などを主材料とする料理が含まれます。
※1つ(SV)=たんぱく質約6グラム
【料理例】
1つ分=冷奴/納豆/目玉焼き一皿
2つ分=焼き魚/魚の天ぷら/まぐろとイカの刺身
3つ分=ハンバーグステーキ/豚肉のしょうが焼き/鶏肉のから揚げ
牛乳・乳製品
牛乳・乳製品
カルシウムの供給源である、牛乳、ヨーグルト、チーズなどが含まれます。
※1つ(SV)=カルシウム約100ミリグラム
【料理例】
1つ分=牛乳コップ半分/チーズ1かけ/スライスチーズ1枚/ヨーグルト1パック
2つ分=牛乳瓶1本分
果実
果実
ビタミンC、カリウムなどの供給源である、りんご、みかんなどの果実及びすいか、いちごなどの果実的な野菜が含まれます。
※1つ(SV)=主材料の重量約100グラム
【料理例】
1つ分=みかん1個/りんご半分/かき1個/梨半分/ぶどう半房/桃1個
水・お茶
水・お茶
水・お茶といった水分は食事の中で欠かせないものであり、料理、飲料として食事や食間などに十分量をとる必要があることから象徴的なイメージのコマの軸として表現しています。
運動
運動
水・お茶といった水分は食事の中で欠かせないものであり、料理、飲料として食事や食間などに十分量をとる必要があることから象徴的なイメージのコマの軸として表現しています。
菓子・嗜好品
菓子・嗜好品
菓子・嗜好飲料は食生活の中で楽しみとしてとらえられ、食事全体の中で適度にとる必要があることから、イラスト上ではコマを回すためのヒモとして表現し、「楽しく適度に」というメッセージがついています。1日200キロカロリー程度を目安にしてください。
【200キロカロリー】
せんべい3~4枚/ショートケーキ小1個/日本酒コップ1杯(200ミリリットル)/ビール 缶1本半(500ミリリットル)/ワインコップ1杯(260ミリリットル)/焼酎(ストレート)コップ半分(100ミリリットル)

*油脂・調味料については、基本的に料理の中に使用されているものであることから、イラストとして表現していません。料理を選ぶ際に、カロリー、脂質、塩分の表示を併せて、チェックすることが大切です。

毎日の食生活チェックブックをダウンロードして、あなたの食生活を早速チェックしてみましょう!
「食事バランスガイド」で実践 毎日の食生活チェックブック(PDF:438KB)

お問い合わせ先
消費・安全局消費者情報官
担当者:食育推進班
ダイヤルイン:03-3502-5723

バランス良く取りたい、栄養素・不足しがちな成分

食事摂取基準(栄養素)指標(1歳以上)

成人では、推定エネルギー必要量=基礎代謝量(kcal/日)×身体活動レベルとして算定した。(身体活動レベル=ふつう)
*ふつう=座位中心の仕事だが、職場内での移動や立位での作業,接客等、あるいは通勤・買物・家事・軽いスポーツ等のいずれかを含む場合

(解 説)
カルシウム:
高齢になると骨密度が低下するため、意識して摂るようにしましょう。(不足すると骨粗鬆症の原因です)
乳製品のカルシウムは吸収率(60%程度)が高いのでおすすめです。
カルシウムの吸収を高める、肉や魚などのタンパク質,ビタミンDを一緒に摂ると効果的です。

タンパク質:
体を作る大切な栄養素です。
卵や肉類,魚類,乳製品などの「動物性タンパク質」と豆類,穀類などの「植物性タンパク質」バランスよく摂るようにこころがけましょう。

食物繊維:
便秘や高血糖,高コレステロール,生活習慣病を防止します。(目安20~25g)
根菜類や海藻類,千切り大根などが多く含まれます。

ビタミン・ミネラル:
体の調子を整える栄養素,ビタミンA~E群,カロチン,Mg,K,などをバランスよく摂りましょう。

糖質・脂質:
消費カロリーの低い高齢者は控えめにしましょう。(目安 砂糖15g,油脂類10g)
糖尿病予備軍の方:砂糖はカロリー0の甘味料を使いましょう。(例;ラカントなど)

鉄分:
不足すると貧血,疲労,意欲低下をおこします。
ほうれん草,レバーやヒジキに多く含まれます。

水分:
高齢者は特に、のどの渇きを感じにくかったり,排泄を気にするため脱水症状になりやすいので、こまめに補給しましょう。
一日の摂取量目安:2.3~2.5リットル(食事も含む)

塩分:
塩分は、美味しい食事に欠かせない味であり、生命を維持するために大切な成分です。
しかし、摂りすぎると「むくみ」「高血圧」などの生活習慣病の原因となります。

一日の摂取量目安:
高血圧を予防するためには、10 !/日以下
高血圧や糖尿病などの疾患のある方は、6 !/日以下
一工夫:醤油を使う時は、だし汁1/2と醤油1/2で出汁割り醤油にして使いましょう。

その他意識して摂りたい成分:
ポリフェノール(ブルーベリー・ぶどう・りんご),リコピン(とまと),カテキン(お茶),タンニン(紅茶),DHA・EPA(青魚),レシチン(大豆・たまご),タウリン(タコ・イカ・青魚・貝類など),セレン(玄米・にんにく・ごま),ナスリン(なすび),亜鉛(ココア・カキなど)を適量に摂りましょう。



協力
財団法人 潤和リハビリテーション振興財団
参考文献
「いつもの材料で作るソフト食―高齢者メニュー50」(鉱脈社刊)
「黒田留美子式 高齢者ソフト食標準テキスト上巻/下巻」(リベルタス・クレオ刊)
  

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