新富町職員ブログ
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生涯学習課の有馬です。
寒い日々が続きますが、みなさんお元気でしょうか。

私は春の訪れを知らせる湯之宮座論梅を紹介いたします。

座論梅は昭和10年に国の天然記念物となった梅園で、江戸時代から「三州の三梅」と呼ばれ、梅の名所として知られていました。その梅園としての歴史は古く、300年以上前から今の梅園の姿があったことがわかっています。

昭和15年の座論梅の様子

しかしながら、平成5年には台風被害、平成17年にはコスガシバという蛾の幼虫による被害を受け、存亡の危機がありました。
特に、コスガシバによる被害は甚大で、専門家の先生方のご指導を受けながら、平成18年度には、幹を削って幼虫を摘出する作業を10日間にわたって行い、蛾の交尾を抑制し増えないようにするための「更新撹乱剤」を設置するなど、作業を繰り返してきました。 

コスカシバによる被害
コスカシバによる被害 

フェロモントラップ
フェロモントラップ
このような被害に対処する作業の中から、梅園が長く歴史を積み重ねてきたプロセスを考えるようになりました。
それは1本1本の木自体の寿命はそれほど長くないため、これまでの長い歴史の中でも、新たに出てきた芽株を大切に育成して、次世代株を育成していたのではないかということです。

現在は、そのプロセスを重視して、草刈りなどで新しい株を残すことや、取り木で新しい株をつくるなどの作業を進めてきました。



また平成22年度からは、周辺環境の改善と公園としての活用のために、周辺整備事業を始め、口蹄疫被害発生のさなか地元湯之宮地区の方々にご理解いただき、集会所の移設を行い、平成23年度にはトイレの整備を、今年度は増殖梅園や多目的広場、道路や駐車場の整備を行いました。

周辺整備前の湯之宮座論梅
周辺整備前の湯之宮座論梅

湯之宮地区集会所の曳き家
湯之宮地区集会所の曳き家

新しくなったトイレ
新しくなったトイレ

園路や駐車場も整備
園路や駐車場も整備

増殖して育てた株でできた新しい梅園
増殖して育てた株でできた新しい梅園

多目的広場
多目的広場

以上のような作業やご協力の成果により、今年は梅もたくさんの花をつけ、居心地の良い公園としてみなさまに親しんでいただけるようになりました。

2月17日(日曜日)には、観光協会が主催する「座論梅梅祭り」が開催されます。
みなさまのご来場をお待ちしております。地図はこちら

ちなみに三州とは、薩州、大州、日州をさし、鹿児島から宮崎県の一帯、つまり南九州を代表する梅園ということです。
他の2つの梅園とは、鹿児島県薩摩川内市の「藤川天神梅」と宮崎市高岡町の「月知梅」です。この時期に外の梅園を訪ねてみてはどうでしょうか。

藤川天神梅
藤川天神梅

月知梅
月知梅

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